茎わかめコラム

海藻って面白い!海にはユニークな形をした海藻たちがたくさん

2017.11.27

今回は、ワカメ以外の海藻に注目してみました。図鑑を見てみたところ、一見海藻とはわからないようなものなど、海にはとても面白い形をした海藻がたくさんあることが分かりました。

そこで、ユニークな形の海藻を中心に、茎わかめLIFE編集部で作成したイラストを使って御紹介します!

1.イカノアシ

こちらは、「イカノアシ」です。名前の通り、まるでイカ足のスルメのような形をしていますね。硬くて弾力があり、乾くと色は黒く、ヘナヘナとなってまるで太いきくらげのような状態になるのですが、水を含んでいると、暗赤褐色・黄褐色なんだそうです。高さは、25センチほどあるとのことで、イカの足よりは少し長いようですね。

2.フクロフノリ

フクロフノリは、北海道・本州・四国・九州・南西諸島で見ることができます。大きな渦を巻いているように枝が伸びていて、先端が手のひらを広げたようにパッと開いた不思議な形をしています。この枝の中は袋状になっていて、空洞ができているそうです。食べることもできるため食用に加工され、そのほか、糊の原料としても利用されているとのことです。

3.ウミトラノオ

ウミトラノオは、その名の通りトラの尻尾のような形状をしています。表面には、短い毛が生えているようにフサフサして見えます。毛の生えた蜘蛛のように見えて、なにやらモソモソと動き出しそうな雰囲気です。海中の潮間帯という、潮の満ちひきが発生する場所に生息しますが、まとまっていると、まるで動物の尻尾がたくさん生えているように見えます。長さ1メートルのものもあり、日本各地に生息しているそうです。

4.ウミウチワ

その名の通り、うちわ・扇のような形をしている、ウミウチワ。直径も20~30cmあるとのことで、私たちが使っている本物のうちわと同じくらい大きさですね。海中では、たくさんのウミウチワが少し内側にカールしているような状態で、群生しています。このウミウチワの体は、なんと革のように硬く、そのためなのか、波の影響を受けにくい海底に生息しているとのことです。

5.カゴメノリ

カゴメノリは、まるで鍵編みの帽子のような、一見海藻と言われてもすぐにはピンとこないような、網目状の海藻です。薄い膜状の平べったい袋に、たくさんの穴が開いていて緑色をベースに、何色にも見えるような、不思議な色をしています。直径は10~30cmで、乾燥すると少し硬くなり穴の開いた岩のようにも見えますが、完全に乾燥しないよう、大きな潮溜まりのエリアに生えることが多いそうです。

6.ノコギリモク

アカモクと同じ、ヒバマタ目ホンダワラ科に属する、ノコギリモク。ギザギザした、ノコギリのような葉っぱがたくさん生えています。高さは1~2mあり、まるで地上に生えている草木のようですね。イラストではよく見えないのですが、ヒバマタ目ホンダワラ科の海藻の多くは、海中でも真っ直ぐ立ち上がれるように、多数の卵型の気泡が葉のそばに付着していて、浮き袋のように作用しています。ホンダワラ科の海藻は、砂地などではなく、大きな岩や岩盤などの安定した場所を好んで生育します。茎から枝が伸びた先に葉がある体をしっかり支えるためなのでしょうね。

7.ミル

このような平面で見ると、海藻というよりはカーテンやテーブルクロスのおしゃれな模様のようにも見える、ミル。というのも、このミル類の造形の美しさから、海松門という服飾デザインが生まれ、貴族達に愛されたという平安朝の頃からの歴史があるそうです。食べても美味しいそうですよ。

8.タマゴバロニア

キャビアのようなつやつやした粒が集まった、タマゴバロニア。この粒は、多核の巨大細胞で、それぞれが10~13mm×25mmほどあり、全体の直径は15cmほどあるとのことで、ブドウ一房くらいの大きさがあります。黒ずんだ緑色にも、紺色にも、紫のようにも見え、色にも深みがあります。キャビア、イクラのように粒が揃っていて美味しそうにも見えますが、残念ながら食用ではないようです。

以上、ユニークな形をした8つの海藻を紹介しましたが、いかがでしたか?私たちが普段目にしない珍しい海藻が、海にはたくさん生息しているのですね。

茎わかめLIFEでは、おやつやおつまみにぴったりの茎わかめ・海藻についての情報をどんどんお届けしてまいります。今後もどうぞ、ご期待ください!

<参考文献>■横浜康継「海藻ハンドブック」2013年,文—総合出版 ■京都府立海洋センター 季報第96号 ■筑紫恒男「新訂 原色食品図鑑」2008年,建帛社 ■新崎盛敏「原色新海藻検索図鑑」2002年,北隆館