茎わかめコラム

岩手県大槌町からシャキシャキのおいしい茎わかめをお届けしています

2017.12.04

おやつやおつまみとしてたくさんの人たちに愛されている茎わかめ。では、茎わかめを作っているのはどんな人たちなの?

そこで、岩手県大槌町にある壮関の工場を訪ねてみました。20165月に落成したばかりの真新しい工場では、茎わかめを中心に、茎めかぶ、昆布製品、するめソーメンなどを製造。全国のお客様へ海のおいしさをお届けしています。今回は、大槌工場の操業責任者である菅原秀一マネージャーにインタビュー。おいしい茎わかめ商品が生まれる現場を紹介します。

株式会社壮関 大槌工場

◆大槌町に工場ができると聞いて迷わず応募

菅原さんは生まれも育ちも大槌町の隣にある釜石市。以前は、少し離れた北上市の自動車部品工場で働いていましたが、東日本大震災で3人の身内を亡くしたのを機に、現在実家のある大槌へ移ることに。そんな折に、壮関が大槌町に工場を建てることになり、町内で働く絶好の機会と応募したそうです。

「壮関は、3年ほど前に増産をはかるために、栃木県矢板市の本社に第2工場を建設する予定でしたが、ちょうどその時、大槌町から企業誘致のラブコールがあったのです。壮関の茎わかめには三陸産のワカメが使われているし、震災復興の雇用創出という意味合いからも町の発展に貢献できると考えた壮関は、大槌に生産拠点をつくることに決めました。この決断によって、私も近くに新しい職場を見つけることができて本当に幸運でした。」と、菅原さんは笑います。

大槌工場 菅原秀一マネージャー

◆1年間本社で研修を受けて食品製造のプロに

こうして壮関に勤務することになった菅原さんでしたが、食品業界は初めての経験。しかも、新しい工場をつくるというのですから並大抵のことではありません。栃木の本社で1年間におよぶ研修を受けながら、食品を扱う難しさと、一から生産現場をつくり出す喜びを知ることができたそうです。

「食品加工で大切なことは衛生面と品質管理です。そこで、壮関の工場はHACCP(ハサップ)という食品製造の安全を確保するための管理手法の認証を取得。製造・出荷のどの工程で微生物や異物混入が起きやすいかという『ハザード(危害)』をあらかじめ予測・分析して被害を未然に防ぐのです。こうした安全面の知識とノウハウも徹底的に学んできました。」

おいしさとともに安心をお客様に届けるために、菅原さんたち社員のひたむきな努力が続けられているのです。

◆一貫生産体制により大槌ブランドの茎わかめも近々登場

現在、大槌工場では、茎わかめの洗浄から調味を行い、出来上がった製品を本社工場へ移送。そこで包装して市場へ送り出していますが、近々、包装まですべて大槌工場で行う計画になっています。

「大槌で原料の洗浄・加工から包装・出荷まで、一貫生産できるようになれば、製造工場として大槌という名前が入るでしょう。私たちが毎日生産している商品が、大槌ブランドとして新たな一歩を踏み出すときが間もなくやってくるのはうれしいですね。」

菅原さんも含めて、工場で働く社員は地元の人たち。それだけにみんな大槌町民のプライドを胸に働いています。

「壮関が大槌へやってきて雇用をつくり、町に活気を与えてくれています。三陸の海からの贈り物であるワカメを、私たちの手で商品にして、日本中の人たちに食べていただけるのは本当に幸せなこと。20年前、茎わかめを生み出した壮関の先輩方の想いを大切に受け継ぎながら、これからもおいしい茎わかめを大槌からお届けしていきたいですね。」と、菅原さんはインタビューを締めくくってくれました。

清潔で広い工場内

マイナス18℃の冷凍庫で保存されるわかめ原料。ここに10分もいると凍えそうです。

大量のわかめ原料を水で洗浄。工場全体で1日400トンの水を使います。

1箱30Kgある箱を上下に振って液体調味料を切るタフな作業。

機械だと異物混入の可能性があるので人の力が頼りです。

おなじみの茎わかめが次々と出来上がっていきます。

次回は壮関大槌工場スペシャルレポート第2弾として、工場で働く社員が感じているやりがいについてインタビューします。どうぞお楽しみに。

取材・文:青木一夫

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