お酒のおつまみに、茎わかめが支持されている理由
2018.03.30◆お酒を飲む機会が増えてくる季節
春になると、お花見や歓送迎会などのイベントも多く、お酒を飲む機会が増えてきますね。また、最近は季節に関係なく、「外飲み」よりも「家飲み」が多いという人たちも増えています。
いずれにしても、楽しい席ではついついお酒が進んでしまうこともありますが、翌日に辛い思いをしないようにしたいものですね。
では、二日酔いを防ぎ、からだにもやさしい飲み方をするにはどうすればよいのでしょうか?その鍵を握っているもののひとつが「おつまみ」です。
◆お酒の席には欠かせないおつまみ
おつまみが大事な理由は、「お酒の味を引き立て、おいしく飲める」という利点だけではありません。
もし、空腹のままお酒を飲んでしまうと、胃に負担をかけ、さらに血中のアルコール濃度を一気に高めてしまうので、悪酔いや二日酔いの原因にもなります。「何かを食べながら飲んだ方が健康によい」という配慮をしながら、お酒を飲む人が多いのもそのためです。
◆気をつけたいお酒のカロリー
ダイエットや食事療法中といった理由で、普段から摂取カロリーに注意している人は、おつまみに含まれるカロリーにも気を配っていることでしょう。でも、お酒も意外とカロリーが高いので要注意。
日本酒や焼酎、カクテルなどは1杯で180~200Kcal程度あり、これはおにぎり1個分に相当するくらいのカロリーです。アルコール度数が高いお酒はそれだけ高カロリーであり、ビールなど度数が低いお酒もガブガブ飲んだら同じこと。
油っこい物や甘いデザートを食べると「カロリーを摂りすぎた」と罪悪感を感じるものですが、飲み物のカロリーは無自覚になりがちなので、お酒のカロリーとおつまみのカロリー、両方に気をつけることが大切です。
◆おつまみに求められるポイントは?
では、みなさんがおつまみを選ぶ際にポイントとなるキーワードは何でしょう?あるアンケート調査によると、「塩味がきいている」「サッパリしている」「手間いらず」「低カロリー」「ヘルシー」「歯ごたえがある」「つまんで食べられる」などが上位を占めました。
では、消費者が求めるこれらのポイントをクリアした、理想的なおつまみがあることをご存知ですか?そう、それが「茎わかめ」なのです。
もともとお酒のおつまみには、塩味を中心としたものが好まれるのですが、茎わかめの味付けはまさに程よい塩味。しかも酸味もあってサッパリしています。また、袋から出して、指でつまんですぐに食べられる手間いらずで、歯ごたえがあって低カロリー。
さらに、茎わかめは食物繊維が豊富なので、お酒に含まれる糖質の吸収を穏やかにし、血糖値の急上昇も防いでくれます。
こんなにもみなさんのリクエストにピッタリなおつまみはなかなかないでしょう。もし、次にお酒を飲む機会があったら、ぜひテーブルに茎わかめをお忘れなく。
〈参考文献〉文部科学省ホームページ:第2章 日本食品標準成分表 し好飲料類(PDF:145KB)https://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/02/16/1365343_1-0216r9.pdf
荒木葉子准教授 (新渡戸文化短期大学 准教授/食物栄養学科食品学研究室)
海洋資源の有効利用の観点から、まだ私たちの食卓に供されていない海藻の食品としての利用を試みている。未利用海藻を料理に応用するだけでなく、様々な形態への加工、風味などに影響を及ぼす海藻のエキス成分に関する実験やアルギン酸のカプセル料理への応用について試作検討中。平成22年から東京ガス(株)との共同研究により、エコ・クッキングに関する研究にも取り組んでいる。