現代のミネラル不足に茎わかめ
2018.11.26「ミネラル」とは糖質・脂質・タンパク質・ビタミンと並ぶ「五大栄養素」のひとつです。約100種類もあるミネラルのうち、代表的なものとしてカルシウム・鉄・マグネシウム・亜鉛などが挙げられ、それらを含む16種類のミネラルがヒトにとって不可欠な“必須ミネラル”と呼ばれます。
「カルシウム」は骨や歯を、「鉄」は血液(赤血球)を作ります。「マグネシウム」はタンパク質合成やエネルギー代謝、「亜鉛」は味覚に作用するだけでなく、免疫を司り、生殖機能にも大変重要な働きをします。また、皮膚や目を正常に保つためにも必要です。このように「ミネラル」は人間が生きるために欠かせないものなのです。
●野菜のミネラルが減少?
ミネラルを多く含む食品として挙げられるのが野菜です。しかし野菜の栄養素は、昔に比べ全体的に著しく減少しています。
この原因は、もともとミネラルが少ない日本の土壌がさらに痩せたため。その上、農薬や化学肥料が使用されることや、人工栽培により旬の時期に関係なく収穫されることもその一因となっています。
このように私たちが野菜を食べることによって、本来得られたはずのミネラルや他の栄養素をきちんと確保することが近年難しくなってきています。さらにファストフードなどの利用で野菜が極端に少ない食事が増え、乳製品や小魚を摂る機会が減っていることで、現代人はミネラル不足に陥っています。
●ミネラルの摂りすぎは危険?
手軽にミネラル補給できるものとして、サプリメントを思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。しかし、ミネラルは体の中で互いにバランスを保つことで機能しています。どれか一つが過剰になるとバランスが崩れ、かえって障害を招くことがあるのです。例えばカルシウムの摂り過ぎは、高カルシウム血症や、鉄・亜鉛の吸収障害を引き起こします。
補給しやすいからといって、安易に多用することは、十分注意したいですね。
●茎わかめでミネラル補給?
野菜のミネラル分が不足していると言っても、日常の食事にミネラル豊富な食材を取り入れていくことで、ミネラル不足を補うことが出来ます。
中でも海藻は「マグネシウム」や「鉄」などのミネラルを豊富に含みます。間食に「茎わかめ」を摂ることは、手軽に取り入れられる“ミネラル補給”ですね。またミネラルは加熱して成分が壊れることが無いため、お味噌汁やスープにわかめを入れるのもおススメです。
その他手軽に取り入れられるものとして、納豆には「亜鉛」、チーズには「カルシウム」が含まれるため、いつもの食事に少しずつプラスして、ミネラル不足を補っていきましょう。
平林沙織 (管理栄養士、美腸プランナー)
美腸協会にて腸マッサージを学び資格取得。社員食堂や大手アスリート向けサプリメント会社での勤務を経て、現在、働いている方から子育て中のママさん、また学生に向けてフリーで講演会などを行う。