意外な情報?!ワカメにも野菜顔負けのビタミン量が含まれている??
2017.11.15海藻はビタミンの宝庫!?
海藻には、ミネラル だけでなくビタミンも多く含まれています(前回記事:ワカメなどの海藻に含まれているミネラルって、どんな成分?)。
ビタミンは、エネルギーはほとんどありませんが、人間の成長や生命を維持させるために欠かすことができない成分です。 また、体内で合成されたとしても十分な量ではないので、食品からの摂取が不可欠です。
海藻に含まれるビタミンの量
山田信夫著『海藻利用の科学』に、海藻と野菜・果実のビタミンをまとめた表が掲載されていました。
この表によると、アオノリにはピーマンと同じくらいの「ビタミンA」が含まれていますし、ワカメには「ビタミンB1」「ナイアシン」が多く含まれていることがわかります。
ワカメに多く含まれるビタミン
表でもわかる通り、ビタミンはいろいろな海藻類に含まれているのですが、今回はワカメに多く含まれるビタミンである、脂溶性のビタミンAとK、水溶性のビタミンB1とB2を紹介します。
「ビタミンA」は皮膚や粘膜を正常に機能させるビタミンです。薄暗いところでも視力を保たせる機能のほか、抗がん作用や細胞内での遺伝情報の伝達にも役立っています。素干しワカメ100g中には、1,800IUのビタミンA効力が含まれています。これは、ほうれん草(1,700IU)や鶏卵黄(1,800 IU)、春菊(1,900 IU)と同じくらいのビタミンA含有量だといえます*1。
「ビタミンK」には怪我などの出血を止めるのに必要な血液凝固作用や、カルシウムの骨への沈着を促して骨の形成を助ける作用があります。緑黄色野菜・植物油・鶏卵・肉類にも含まれていますが、海藻にとても多く含まれています。特にワカメは、海藻の中でもトップクラスのビタミンK含有量です。ワカメ(生)1gには、20,837ngのビタミンK1が含まれています。ほうれん草には4,785ng、ネギ(緑部分)には2,426ng、ブロッコリには2,050ngの量が含まれていて、圧倒的にワカメが多くのビタミンKを含んでいることがわかります(すべて1g中)*2。
「ビタミンB1」はエネルギー代謝に関係するビタミンで、特に糖質をエネルギーに変える時に役立ちます。また、糖質をエネルギー化する関係から、脳や神経の働きを正常に維持するためにも必要なビタミンとも言われています。素干しワカメ100g(0.30mg)には、ニワトリの肝臓(0.38mg)や、そら豆(0.35mg)・えのき茸(0.31mg)・舞茸(0.25mg)と同じくらいのビタミンB1を含んでいます(全て100g中)*3。
「ビタミンB2」は脂質や糖の代謝に関わるビタミンで、このビタミンが酵素を助 けることでエネルギーが生まれるという作用があります。また、脂質の酸化を防ぐ脂質抗酸化作用があります。つまり、生体の酸化を防いでくれるという意味で、老化防止作用があるといえます。参考文献によれば、板ワカメ100gには1.40mgのビタミンB2が含まれていて、これはニワトリの肝臓(1.80mg)、干し椎茸(1.70mg)、レバーペースト(1.45mmg)などと同量程度であることがわかります*4。
「ナイアシン」はビタミンB2同様、糖質や脂質からのエネルギー生産に必須のビタミンです。 素干しワカメ100g(8.0mg)には、鶏肉(8.4mg)・えのき茸(8.1mg)・豚肉(6.8mg)鶏肉(6.4mg)などと同僚程度のナイアシンを含んでいるとのことです*5。
以上、ワカメには、脂溶性・水溶性の様々なビタミンが含まれていることがわかりました。
普段からワカメにビタミンが豊富だというイメージがなかった方には、新鮮な情報だったかもしれません。家事や仕事の合間のおやつを選ぶ際、個包装を開ければすぐにシャキシャキ食べられる「茎わかめ」を選んでみてはいかがでしょうか?
茎わかめLIFEでは、おやつやおつまみにぴったりの茎わかめについての情報をどんどんお届けしてまいります。どうぞ、ご期待ください!
〈参考文献〉■山田信夫「海藻利用の科学」(成山堂)2000年、P170−185 ■國﨑直道「食べ物と健康」(同文書院)2008年、P39-ほか *1 山田信夫「海藻利用の科学」(成山堂)2000年 P175 *2 同 P179 *3 同 P180 *4 同 P181 *5 同 P182