ワカメなどの海藻にたくさん含まれているミネラルって、どんな成分?
2017.09.01健康や美容の話題の中でよく耳にする成分「ミネラル」。具体的にはどんな成分のことを指すのでしょうか?今回は、「ミネラル」についての基本情報を調べてみました!
ミネラルってなんのこと?
ミネラルとは、食品成分のうち「無機質」に分類されるもので「無機質」には多くの元素が含まれています。
ミネラルという用語自体には統一された明確な定義がないようですが、厚生労働省の『e-ヘルスネット』*1によれば、生体を構成する主要な4元素を除いたすべての元素がミネラルである、とされています。そして、主要4元素を除いたすべての元素は、全部で100種類以上も存在するそうです*2。
ミネラルと呼ばれる元素にはどんなものがあるの?
厚生労働省の『e-ヘルスケアネット』*1によれば、現在のところ人間の身体に必要とされるミネラルは16種類とされ、これを「必須ミネラル」と呼んでいるそうです。厚生労働省は、この必須ミネラルを人体に含まれる量によって「主要ミネラル」7種類と「微量ミネラル」9種類に分類しています。
この分類によると、主要ミネラルは「カルシウム」「リン」「カリウム硫黄」「塩素」「ナトリウム」「マグネシウム」で、微量ミネラルは「鉄」「亜鉛」「胴」「マンガン」「クロム」「ヨウ素」「セレン」「モリブデン」「コバルト」です。
ミネラルの生理作用や望ましい摂取量
ミネラルの生理作用は、各元素によってそれぞれ違っていますので一言では言い表すことができません。また、ミネラルは体内で合成できないため、食物からとる必要がありますが、どのくらい摂取すればいいのかも各元素によって違います。厚生労働省のウェブサイトに、各元素の摂取基準が掲載されています。(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000041824.html)
たとえば、ミネラルの中には、大人が1日600mg以上必要*3だと言われている「カルシウム」のように、健康維持のために多くの摂取が必要な元素もありますが、「ナトリウム」のように通常の食生活をしていれば十分に量を確保でき、むしろ多く摂りすぎた場合に高血圧や生活習慣病など健康に悪影響を及ぼすものもあります。
海藻、ワカメに含まれるミネラル
意外かもしれませんが、海藻には「カルシウム」が多く含まれています。たとえば乾燥ワカメ(素干し)の場合、100g中780mg*4の「カルシウム」を含んでいて、これは小魚や脱脂粉乳に引けを取らない数値だそうです。
ほかにも海藻には主要ミネラルだけでなく、微量ミネラルも含まれています。たとえば、食品成分表*4によれば、乾燥ワカメ(素干し)には、100g中「鉄」が2.6mg、「亜鉛」が0.9mg、「銅」が0.08mg含まれています。
鉄に関しては、成人の1日の必要量が6.0mg*5ですので、そのおよそ半分量が乾燥ワカメ100g中に含まれていることがわかりますね。
個包装タイプで、オフィスやお出かけ先等で手軽にミネラルを摂取できるのは嬉しいですね。
茎わかめLIFEでは、ミネラルや食物繊維が豊富で低カロリーの茎わかめ情報や、ダイエット・健康に関する情報をたくさんお届けします。どうぞ、今後もご期待ください!
<参考文献>■*1厚生労働省『e-ヘルスネット』より「ミネラル」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-035.html (8月4日) ■*2農林水産省ウェブサイトより「ミネラル」https://www.maff.go.jp/j/fs/diet/nutrition/mineral.html#absorb (8月4日) ■*3厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年度版)策定検討会」報告書 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000041824.html (8月4日) ■*4香川明夫『食品成分表2017』2017年,女子栄養大学出版部 ■*5*3提出データのうち、18-29歳男性の1日における推定平均必要量データを抽出 ■辻啓介『わかめ・ひじき』1993年,日本放送出版協会
荒木葉子准教授 (新渡戸文化短期大学 准教授/食物栄養学科食品学研究室)
海洋資源の有効利用の観点から、まだ私たちの食卓に供されていない海藻の食品としての利用を試みている。未利用海藻を料理に応用するだけでなく、様々な形態への加工、風味などに影響を及ぼす海藻のエキス成分に関する実験やアルギン酸のカプセル料理への応用について試作検討中。平成22年から東京ガス(株)との共同研究により、エコ・クッキングに関する研究にも取り組んでいる。